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弓の毛替え:おっちょこちょいもここまでくると泣けてくる。

冷たい風が吹きすさぶ中、ムスーはかじかんだ手でインターフォンを押した。「ピンポーン」…。インターフォンは虚しく沈黙を続けるだけだった。「どうしよう…、連絡はしたけどやっぱりずいぶん遅れちゃったから今日は対応してもらえないのかな…、でもお話くらいはしてくれるよね」意を決してもう一度インターフォンを押してみたが、応答はなかった。

途方にくれたムスーは先ほど、遅れると連絡したときのかけた番号に電話をした。「今、2階にいてインターフォンを押したのですが、どなたも出られないです」「うちは1階ですよ」な ん で す と ?

電話の相手は続けた。「もしかしたあなたがいるのは〇〇(地名)ですか?そこは父の工房です」ガ ー ン !

「どうしましょう。お約束の時間からずいぶんたってしまいましたので、また後日に予約させていただいた方がよろしいでしょうか?」ムスーはパニックになりながらもどうにか丁寧に尋ねた。相手はしばらく考えたのちに「今日でいいですよ。今まだ○○ですよね。今から車で迎えに行きますからそこで待っていてください」

事の発端は1日前に遡る。ばよりんの弓の毛替えをしたいと思っていたムスーは先生からメールをもらった。駅からの行き方が書いてあったが、「パン屋を右にまがり線路沿いをひたすらまっすぐ、つきあたったら迂回してその先。徒歩10~15分」というアバウトな説明と電話番号。ムスーはインターネットでその工房と思われるものを発見したので、地図をGoogleマップで表示させてみた。線路沿いをひたすらまっすぐ、という意味がわからないけど、徒歩10~15分だし、名前も合っているし、ここで間違いないだろう。

当日、駅に降り立ったムスーは自信満々に歩き始めた。念のためケータイ画面にGoogleマップを表示させながら。

風が強くて寒い中、一生懸命てくてくと歩く。しかし目印となる国道になかなか出ない。「もうちょっと先なんだろう」と自分に言い聞かせ歩き続けるムスー。しかし「筋金入りで折り紙付き」と評されたことのある方向音痴ぶりをここで発揮してしまった。いかにも迷いそうな住宅街に入り込み「それでも北上すれば国道に出るはず」と思い込んで歩いていたところ、立ち往生しているタクシーを発見。「同士よ」と思い、ムスーはふと、現在立っている住所をGoogleに入力してみた。

線 路 は さ ん で 南 口 と 北 口 逆 の と こ ろ に い る よ !

言い訳をすると、あの駅は出口がいっこしかなかったのだ!それで間違えたのだ。予約の時間まであと7分、ムスーは電話をして遅れる、と伝えた。「道を間違えて○○公園の近くにいます」「ああそうですか、大丈夫ですよ。お待ちしてます」よかった…。駅まで戻って大人の乗り物に乗れば10分遅れくらいで着くだろう…。

駅についたムスーは急いでタクシーに飛び乗った。「ここに行ってください!」ケータイの画面が細かすぎたらしく、初老の運転手はしばらくケータイを凝視していたが、「ナビに住所を入れてみましょう」と入力し始めた。しかし住所のX丁目、Y番地まではいいが、Z号がなく、適当に行くことに。「自分はこういう星のもとに生まれたのだろう」と軽く己の運命を呪いつつ、タクシーに身を委ねた。

き も ち わ る い よ ぅ ~ ← 車酔い

そして予想通り、近くまで来たところで道がわからなくなり、一方通行だらけの蟻地獄のようなところに着いてしまった。運転手さんと懸命に探したがどうにもわからずここで下車。ありがとう、おじさん。

そこからはまたしてもGoogleマップに住所入力して表示させ、探すという方法で歩くこと5分、それらしき場所に出た。が、目当ての建物が見つからず、ウロウロしていたら、近所の方に「○○先生の工房?だったらここよ」と声をかけてもらい、バイオリンケースを持っていてよかった~と思ったのであった。

そして冒頭に戻る。

車で迎えに来てくれたのは、マスクはしていたがキリリとしたお顔でスラリとした男性だった。「ムスーさんですね、どうぞ乗ってください」

ひたすら謝罪の言葉を口にするムスーに彼は「どうして○○だと思ったんですか?先生がそうおっしゃった?」「いえ!私がホームページを見つけて、勝手にここの住所と判断してしまったんです。あ、でも先生が徒歩10~15分っておっしゃっていたのもあります ← さりげなく先生を巻き込む)」「そうですか~。うちは駅から徒歩4分くらいですよ。さっき電話もらった○○公園からだったらそんなに遠くなかったんですよ」あぅぅ。

恐縮しまくりながら着いたところは確かに駅近。玄関入ってすぐに待合室があって、そこで待たせてもらうことになった。ふと、おいてある本を手に取って驚愕!こ、これは以前ドラマ化されたあの、で表紙見て急いで携帯wikiで確認。

海峡を渡るバイオリン (河出文庫)海峡を渡るバイオリン (河出文庫)
(2007/10)
陳 昌鉉鬼塚 忠

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そ、そうかお父様はこの方でしたか…。何も知らずに工房をピンポンしていた私。もしご在宅だったらと思うと。((((;゚Д゚))))

もやは物語調ではいられなくなってしまった。いつものブログ調に戻ります。

ツイッターでも知人から同じネタが提供され、しかも息子さんは別の知人が所属しているオケにいて、ここの工房は私も出た一発オケに広告も出してくれていて。← すべてツイッターから得た情報。

・゚・(つД`)・゚・

混乱しすぎてパニック。

そこに「おまたせしました、できましたよ」と弓とともにJIN様登場。(←もう本紹介しちゃったしいいや) で、おずおずと知人オケの話を聞いたら、以前そのオケに所属していたのはお兄様だそうで、親子・兄弟で職人!?すごいや…。

帰りは玄関の外まで送っていただき、駅への道を丁寧に教えていただきました。(;´д`)トホホ…

そうやって替えてもらった弓ですが、日曜は疲れが出たのか頭痛がひどく、まだ実際には触っていません。ぬぬ。感想はまた後日アップします。

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まさに

ドジッ娘好きにはたまらない記事ですが・・ ドジっていうかこの場合・・・  いや・・・ なんでもない・・・

VNYOさんへ。

なんだよぅ!怒らないから言ってみろよぅ!

たんにおっちょこちょいというか、バカですわ。

No title

まさか同じ名前の工房があるとは思わないもんね~

でも、無事に毛換えも出来てよかったね。

woooさんへ。

勘違いとはいえ、参りました。
もう1つの工房は駅から車で送迎してくれる、と聞いたのですが、車ギライの私はこっちにしたのに、結局車で迎えに来てもらってるし orz

早く弾きたいです!

なんとか

たどり着いて(?)よかったですね~♪
先生紹介の工房は有名な職人さんなんですね、さすが!

はい~。

弦楽器を長年やっている友人にも「いい人を紹介してもらってよかったね」と言われて、おぉ~有名な方なのね、と思いました^^

さすが先生~。

わ、笑いが…w

ムスーさんにしたら時間もなくてパニックだったのでしょうけど、
読んでいる私はハラハラしつつも、笑ってしまいました。ゴメンなさいw
宝探しみたいな、冒険心をそそられる先生のアバウトな説明に惚れましたw
無事毛替えが出来てよかったですね♪

自分でも…

これはブログのネタになる、と途中からは思っていました。
先生には「説明通りだったでしょー」と言われましたが…。

毛替えはバッチリ!すごく満足です。
プロフィール

ムスー

Author:ムスー
耳が良くて、甘いものが大好きなオットちゃんと2人暮らしの専業主婦です。以前はオーケストラでホルンを吹いておりました。

初めてばよりんを習ったのは2007年ですが、途中ブランクもあり、2009年2月からまた習い始めて頑張っています。

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